突然のほてり、その正体は? ホットフラッシュの基礎知識

突然のほてり、その正体は? ホットフラッシュの基礎知識

突然、顔や上半身がカーッと熱くなり、汗が噴き出す。エアコンが効いているのに、自分だけ暑く感じる——。それは、更年期に起こりやすい「ホットフラッシュ」かもしれません。

ホットフラッシュは、のぼせ・ほてり・発汗を中心とする更年期の代表的な症状です。症状の現れ方やつらさには個人差があり、動悸やめまい、寒気を伴うこともあります。夜に起こると「寝汗」となり、眠りが途切れて日中の疲労につながる場合もあります。

ホットフラッシュで顔のほてりを感じ、扇子であおぐ女性

ホットフラッシュはなぜ起こる?

更年期には、卵巣の機能低下に伴って、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが大きくゆらぎながら低下していきます。その影響で自律神経や血管運動の調節が乱れ、血管が急に広がって皮膚の血流が増えたり、汗をかいたりしやすくなると考えられています。

「体温調節のスイッチが敏感になり、体が急いで熱を逃がそうとするような状態」と考えると、イメージしやすいかもしれません。

出典:厚生労働省「女性の健康相談における対応マニュアル」

日常でできる5つの対処法

1.自分のきっかけを記録する

ホットフラッシュが起きた時間や状況、その前に口にしたものを記録すると、自分のきっかけを見つけやすくなります。カフェイン、アルコール、香辛料の強い食事、ストレス、暑い環境などがきっかけになる方もいます。

2.脱ぎ着しやすい服装にする

通気性のよい薄手の服を重ね、ほてりを感じたらすぐ一枚脱げるようにしておきましょう。外出時に小型の扇風機や扇子を携帯するのも便利です。

3.寝室や室内を涼しく保つ

夜間の寝汗が気になる場合は、寝室を少し涼しくし、寝具も重ねて調整できるようにします。冷たい水を手元に用意しておく方法もあります。

4.カフェインやアルコールを見直す

すべてを禁止する必要はありません。コーヒーやお酒を飲んだ日に症状が強いと感じる場合は、量や時間帯を少し調整して、自分に合う範囲を探してみましょう。

5.食事・運動・睡眠のリズムを整える

バランスのよい食事、無理のない運動、十分な休養は、更年期全体のセルフケアとして大切です。症状を責めたり我慢したりせず、できることを一つずつ取り入れましょう。

参考:米国保健福祉省 女性健康局「Menopause symptoms and relief」

大豆食品はどう取り入れる?

豆腐、納豆、豆乳、味噌などの大豆食品には、大豆イソフラボンが含まれています。大豆イソフラボンは植物エストロゲンとも呼ばれ、女性ホルモンに似た作用が注目されています。

ただし、大豆イソフラボンやそのサプリメントがホットフラッシュを確実に改善すると断定できるほど、研究結果は一致していません。大豆食品は「治療の代わり」ではなく、バランスのよい食事を構成する食品の一つとして取り入れるのがおすすめです。

サプリメントは成分が濃縮されていることがあり、薬との相互作用にも注意が必要です。治療中の方やサプリメントを利用したい方は、医師や薬剤師に相談してください。

出典:厚生労働省eJIM「更年期障害と補完療法について知っておくべき4つのこと」

つらいときは、我慢せず産婦人科へ

症状で仕事や家事、睡眠に支障が出ている場合は、セルフケアだけで抱え込まず、産婦人科に相談しましょう。ホルモン補充療法(HRT)は、ほてり・のぼせ・ホットフラッシュ・発汗に特に有効とされ、漢方薬やその他の薬が選択肢になる場合もあります。体質や既往歴によって適した治療は異なるため、医師と相談して決めることが大切です。

また、似た症状の背景に血圧や甲状腺などの異常が隠れていることもあります。突然の強い動悸や胸痛、息苦しさ、原因不明の体重減少、発熱などがある場合は、早めに医療機関へ相談してください。

出典:公益社団法人 日本産科婦人科学会「更年期障害」

体の変化を否定せず、上手につき合う

ホットフラッシュは、気持ちの弱さや我慢不足で起こるものではありません。体の中で起きている変化を理解し、服装や室温、飲み物などを調整することは、毎日をしなやかに整えるための立派なセルフケアです。

まずは今日、症状が起きた時間とその前の行動をメモしてみる。ランチには、バランスのよい食事の一品として豆腐や納豆、味噌汁を添えてみる。そんな小さな一歩から始めてみませんか。


※本記事は一般的な健康情報です。病気の診断や治療を目的とするものではありません。症状が続く場合や日常生活に支障がある場合は、医療機関へご相談ください。

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